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大事件とは・・・?

うちのスーパーパトロンがうちらの目の前で詐欺にあいました。
その詐欺師は巧妙とまでは行かないけど、計画的犯行であることは間違いなさそう。
長くなるので興味のある方はお付き合いください。

昨日、お昼に会社の地下でみんなでご飯を食べていた。ある男が会社に入ってきたので、
ティフェーヌ(同僚1)が上がって見に行くと、その男はドバイ大使館(そんなものは存在しないのだが)の大使館員だが、プリンス○○○(覚えてない)の姉のプリンセス○○○のために
注文したいので来たとのこと。

プリンス、プリンセスと聞いたら、興奮するうちのパトロン。食事をやめて(いつもなら食べている間に誰か来ても食べ続けて待たせるのに)速攻上がっていった。
うちらは食べ続け、その間パトロンとその大使館員と名乗る男は話し続けていた。
食事も終わり、仕事場に戻ろうと1階に上がった時に、その男を見ることができたのだが、
大使館員の割にはずいぶんラフな格好だし、石油系アラブの国の人というよりは
アルジェリア人(フランスには多くのアルジェリア移民がいる)ぽい顔をしていた。
まあ、こんなものなのかなとその時点では深く考えなかった。

そうこうしているうちに、というか10分で商談が成立。(早すぎ)30個の注文。パトロンは舞い上がる。
そして突然、“Ireni この大使館員さんと一緒に大使館に行って、その後フォーシーズンズホテルジョルジュサンクに行ってお金もらってきて”と叫んで私を呼ぶ。
何のことだかさっぱりわからないので、たぶん、きょとんとした顔を私はしていたのだろう。
そうしたら“彼はアメリカンエクスプレスしかないから、現金を取りにホテルに行くから
一緒に行って”という。
この時点で、私の中に疑問が生まれた。まず、第1にうちは商品をお客さんに渡すまでお客さんは払わない。第2になぜ大使館に行かなきゃいけない?そして、もっとも大きい疑問が、うちはアメリカンエクプレスは使えないのだが、彼はなぜそのカードで現金を下ろして払わないのか???という事だった。(うちがアメックスをとらない事をやつは下調べ済み)

でも、しょうがないので、地下で行く仕度をしていると、パトロンにまた呼ばれ“Ireni やっぱり私が行くからいいわー”と言う。上がって二人の前にいったら、その大使館員が私に
あなたを信用していないわけではないけど、パトロンに来ていただきたいという。
私は行きたくなかったのでどーぞどーぞと言う感じだったのだが、パトロンは目の前の大きな注文に大張り切り。

で、その男が“では、うちの車(運転手付き)で行きましょう”と言って、外にでた。戻ってきたらうちの運転手が帰ってしまったみたいなので、タクシーで行きましょうと言う。
またもや、私の頭の中でサイレンが鳴った。人を待たないお抱え運転手なんているのだろうかと。パトロンは問題ない問題ないと何の疑いも無く、自らタクシーを呼ぶ。
それから、わたしは二階の仕事場に戻ったので、その後のことの成り行きは全ては聞けなかったのだが、タクシーが来てから、急にパトロンがとなりのビストロのオーナーに電話している。そして、1800ユーロ貸してと頼んでいる。それを聞いた私とソフィー(同僚2)は思わず顔をあわせて、??????????
なぜ、今1800ユーロ(約243000円!)現金で必要なのか???
私はソフィーにこの時点で、パトロンだまされてなきゃいいけどと冗談半分、まじめ半分に言っていた。パトロンがビストロに行ってお金を持って戻ってきたところを、怪しすぎるので、
話がどうなってるのか聞きだそうと、パトロンにお金をホテルに取りに行くんですよね?
と念を押して聞いたら、“そうなんだけど、今は説明できないから後でするわ”と言う。今説明できない話ってどんなんだ???

パトロンとその男が出てってから、ソフィーがドバイ大使館てさードバイって都市であって国じゃないよねと気づく。そこで私はイエローページで大使館を探すがドバイ大使館なんてものは存在しない。私たちは、心配になってきた。
そうしたら、パトロンが大変な事になったと帰ってきた。
事の始末はこう。

まず、タクシーに乗る前にその男はうちの近所の靴屋で靴を買ったのだが、そこもアメリカンエクスプレスが使えないから、ホテルで返すから1800ユーロ貸して欲しいと頼まれて、現金が無かったパトロンはわざわざ、ビストロにまで借りに行って、貸してあげた。
そして、靴をなん箱かもって戻ってきて、一緒にタクシーに乗った。さあ、出発と言う時に、
その男は“あ、ひとつ用事を足すのを忘れていたので、ここで待ってってください”と言って、
外に出て以来、帰って来なかったらしい・・・・・。
パトロンはタクシーの運ちゃんとアホみたいに15分くらい待っていたのだろうか。
そして、やられたと気づいたらしい。
靴を返しに近所の靴屋に行くと、その靴屋には、現金おろしてくるから待ってってと言って、商品を持って出て行ったらしい。(みんなプリンスの靴と言うだけで、簡単に人信用しすぎ。お金払ってないのに靴をあげるこの靴屋もどうかしてる)
靴屋は靴は戻ってきたから、損はしなかったのだが、一番バカを見たのがうちのパトロン。
お金を借りてまでお金を貸して、トンずらされた・・・・・。

なぜそこまで信用したのかと聞くと、この男はどこからその情報を仕入れたのか、うちのお客様のプリンセスの名前を出して、よく知っていると言ったかららしい。
でも、後でよく考えると、このプリンセスはサウジアラビアのプリンセス。そして、ドバイは
アラブ首長国連邦。国が違うぞ!!!!!

だまされるのって、あっという間ですね・・・・・。
うちらは最初から何か臭うと思ってたので、忠告すればよかったのかも知れないが、彼女は大興奮してたし、人の話を聞くタイプではないので、だまされる運命にあったのだろう。
これでちょっとは落ち込むのかな、と思いきや、殺されたり、怪我させられたりしたんじゃないから良かったわよーガハハハハハと笑っていた。
彼女の神経は鋼のようだ。

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。